おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【大将と私】13・死後も「出会い」がある

変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com オカルトものを書くわけではないので、ご安心いただきたい。 日本の片田舎でしこしこと男やもめの居酒屋を切り盛りしていた大将は、コロナの混乱下、ひっそりとこの世(大将からいわせればワンダーランドだ…

【ざんねんマンと行く】第35話・センターに立てなくても

「なんでおいらはこうなっちまったんだ」 漆黒の空間をひたすら駆けながらも、ついぼやきが漏れた。いつもの悪い癖だ。 憧れたセンターのポジションは、まぶしいあいつに奪われてしまった。いつも目立ってやがって、実にうらやましい。それに比べて俺は今、…

【随想】成功者

人生の成功は、 外から見た評価だけをいうのではないかもしれない。 その人が、何かを目指し、一心に打ち込んで、 その姿が誰かを打つことができたとしたら、 それこそが成功だといえないか。 そうだとしたら、 貴人から家なき子まで、 アフリカからヒマラヤ…

【ざんねんマンと行く】 サンタのプレゼント

時計の針が「12」を回った。12月25日、深夜。世界中の子どもたちが、翌朝枕元に添えられるプレゼントを心待ちに、楽しい夢を見ていることだろう。高校2年生の哲郎は、窓越しに漆黒の夜空を眺めると、幼かったころを思い出した。両の頬が一瞬、緩みか…

【歩き旅と思索】 32・夜の無沙汰

~簡単な自己紹介はこちらです~ テントと寝袋をザックに詰め込み、1日歩けるだけ歩く。 日が暮れたらテントを張る。簡単な食事をとり、缶ビールをプシューと空け、ゴロリと横になる。 そのあとは、特に何もしない。 これが私の20年続けてきた歩き旅のス…

【ざんねんマンと行く】 乱世編

これほどの屈辱を受けようとは。 怒りとも哀しみともつかない、複雑な感情が、貴人の心をかき乱した。 ときは、侍の世になって久しい鎌倉時代末期。武士政権の都合で一度は天皇の座についたものの、再び権力争いに巻き込まれ、やがて座を追われ、果ては幽閉…

【サラリーマンの英検1級攻略術】36・アラフォーからの合格最短経路

限られた時間と予算の中で、英検1級に合格したい!という社会人の方をイメージしながら書いている。 ※簡単なプロフィルは☆こちら☆になります 年を重ねるほど記憶力は衰える。英検一級では何千ものボキャブラリーが求められるだけに、ハードルは高くなる一方…

【大将と私】12・どんな場面にも笑いがある

親には先立たれ、家族なし兄弟姉妹もなし、天涯孤独を体現したような人が大将だった。 はた目にはやや悲惨でもあった。 地方都市で一人しこしこと居酒屋を切り盛りしていたが、お客さんに愛想を振りまくでもなく、むしろ相性の合わないお客さんは積極的に追…

【ざんねんマンと行く】 第34話・OYAJI新時代

「日本では、昔から畏れられているものが四つあるといわれています」 都内の公民館で開かれた、異文化交流会。肌の色もさまざまな約40人が集った会議室で、日本人を代表して58歳の哲男がみんなに語り掛けた。 「上からいいますとですね、『地震』。『雷…

【サラリーマンの第2外国語挑戦】5・ネットを駆使し無料で学ぶ

簡単な自己紹介です↓ ojisanboy.hatenablog.com 語学好きの方であれば、「英語だけでなく別の言語も覚えたい」と食指が動くことだろう。今は仕事や家事育児で忙しくても、いずれはチャレンジしたいと思っている方もいらっしゃるかもしれない。 今は、そうい…

【ブログ探訪】「ダイジェスト」を描き切る

こんにちは。おっさんです。 ブログ巡りをしておりますと、自分にはないセンス、洞察力、視点に出逢い、一般の書籍にもない興奮と気づきをいただくことがあります。 しばらく前からフォローさせていただいている方は、博覧強記という言葉が似あうと思います…

【歩き旅と思索】 31・四国は聖地だった

~簡単な自己紹介はこちらです~ ザックを背負い、ひたすら歩く。 これだけの旅だが、道中の扱いが特別によく、ありがたいと感じる土地があった。 四国だ。 いわずとしれた「八十八か所」。皆さん、なにがしかの本願を抱えて道中を歩き、ペダルをこぎ、アク…

【ブログ探訪】一言でつかむ

こんにちは。おっさんです。 ブログ巡りをしていると、タイトルなどに入っている一言に心をつかまれることがあります。 ・「私に生まれ、私に生きる」 ・「昨日より強くなる」 ・「◎◎在住中小企業勤務ダメ人間の思うところ・・・」(※「◎◎」のところだけボカ…

【大将と私】11・腕は一級

変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com お世辞にも「きれい」とはいえず、女性客や紳士には縁がほとんどない居酒屋だったが、一人切り盛りする大将の腕だけはホンモノだった。変わり者の大将のキャラクターだけでなく、その料理もファンを引き付け…

【ざんねんマンと行く】 第33話・怒りか幸せか(下)

~(上)はこちらです~ 「さあ、今日はまず物価問題から。最近の円安進行で輸入価格の上昇が止まりません。小麦などの食料からガソリンなどの燃料まで、いずれも値上がりで家計を圧迫しています」 よどみない口調でキャスターの細川が社会情勢を簡潔に説明…

【ざんねんマンと行く】 第33話・怒りか幸せか(上)

プルルル 週末。夜9時。見知らぬ番号から着信が入った。まったく、ひと心地つこうかっていうときに、どなたですか。 人助けのヒーローことざんねんマン、口にしかけた缶ビールをちゃぶ台に戻すと、スマホに耳を当てた。はい、どなたですか。 「夜分にすみま…

【歩き旅と思索】 30・ワン公も思い出

~簡単な自己紹介はこちらです~ ひたすら歩くばかりの旅をしていると、たまにだが妙な体験をする。 東海地方の名城・岡崎城に差し掛かったときのことだ。秋の午後。紅葉の向こうにそびえる城の石垣が実に美しく、しばらくその光景に見入っていた。 さて、ま…

【ざんねんマンと行く】 第33話・「マジで彼女がほしい」のに恥ずかしくって動けない男子の顛末(下)

~(上)はこちらです~ 彼女がほしくてたまらない青年は、ざんねんマンの適当とも投げやりとも思える提案を胸に、家路についた。 おじさんの言うとおり、たしかに今のままじゃ、彼女ゲットは難しそうだ。同世代の子を前にしたら、ドギマギして何もできない…

【ざんねんマンと行く】 第33話・「マジで彼女がほしい」のに恥ずかしくって動けない男子の顛末(上)

コンコン 週末の午後。アパートの玄関をたたく音があった。さてさて、今日はどんなお客さんですかな。 人助けのヒーローこと、ざんねんマン。昼飯のカップラーメンをズズーと勢いよくすすり上げると、音の方へ向かった。 「突然、すいません、僕、ご相談があ…

【サラリーマン、家系図をつくる】21・子供の歴史教材

~簡単な自己紹介はこちらです~ ojisanboy.hatenablog.com 日常生活で家系図について考えることはほとんどないだろう。 どこか古臭く、時代遅れの観があることは否めない。 それでも、人生のあるときにふとした縁で作成に携わることになった人間の立場から…

【大将と私】10・個性を認めてくれる

変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 私は大学を卒業するまで、何という取り柄もない人間だった。特技といえるものもなく、彼女もいたことがなく、友達も多くなく、いつも不安で自信のない、我ながら思うが頼りない人間だった。 そんなコンプレ…

【過去記事】ざんねんマンと行く・宇宙人編

こんにちは。おっさんです。 ブログ始めたばっかりのころに投稿したのを再掲します。 時代はSDGs。資源はリユース、リサイクル! ということで再掲失礼いたします~ ・・・・・以下、過去記事・・・・・ とうとう、この日がきた。 日本は富士山の上空に突如…

【ざんねんマンと行く】 ~第32話・「ニーター」なる新しい暮らしのスタイルが出現~

「息子が働かんのです」 メールに目を通すと、つぶやいた。「手ごわい案件かもしれないな」 人助けのヒーローこと、ざんねんマンの元に届いたのは、70代男性からのメール。40代になる独身の息子が会社を辞め、そのまま自宅に引きこもり状態になっている…

【サラリーマンの英検1級攻略術】35・「惰性の時間」を生かす

限られた時間と予算の中で、英検1級に合格したい!という社会人の方をイメージしながら書いている。 ※簡単なプロフィルは☆こちら☆になります 英検1級を目指す社会人の方々の多くが、仕事や家庭などで多忙な日々を過ごされていることと拝察する。 忙しい中…

【ブログ探訪】星マークを見てニヤリとする

こんにちは。おっさんです。 ブログを始めて半年がすぎ、いろいろと楽しみも増えてきました。 ブログ探訪で、他の個性的・魅力的な方の投稿を拝読すること自体、充実しているのですが、さらに加えて面白いことがあると気づいた。 投稿につけられている、星マ…

【歩き旅と思索】 29・脳内「ストリートビュー」

~簡単な自己紹介はこちらです~ 歩いて土地と土地をつないでいく旅の、どこが面白いのか。 なかなか「これだ」と端的には答えづらいが、一つユニークなアンサーがある。 脳内「ストリートビュー」ができる。 ストリートビューはご存じの通り、グーグルマッ…

【小咄】コロナと酒

コロナの時代に入って、もう2年と半年。 いろいろと、変わりましたなあ。世の中は。 例えばリモートワーク。会社に行かずにして働けるってなもんで、ありがたいことです。これはコロナが落ち着いた後も続いてもらわにゃなりませんなあ。 IT時代、さまさまだ…

【サラリーマン・宇宙感動記】20・小型「アルマゲドン」が生中継されていた

SF映画の中でも必ず人気を集めるジャンルが、隕石衝突ものだろう。 代表例がアルマゲドン。ほかにもディープインパクトなど誰でも知っている作品がある。 まあ、いざ地球にでかいのがやってきたときは、バンザイするしかないのかなとも思う。だがどっこい、…

【大将と私】9・隠れた知識人

変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめの大将が営む居酒屋はどこまでも油くさく、むさくるしく、しかしそれだけにアジがあって、一部の男性客にとってはたまらない楽園だった。 一見、教育とは無縁のようにみえた。が、実は大将は学のあ…

【ざんねんマンと行く】 ~第32話・おっぴろげマンとの激闘(下)~

~(中)はこちらです~ ひとの考えていることを読み取り、そのまま声にしてしまう迷惑怪人・おっぴろげマン。首相官邸に現れ、やりたい放題の大暴れをしていたが、SOSで駆け付けたざんねんマンの逆襲を受けてだんだんと勢いを失いかけていた。 感情の激流に…