おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

歩き旅と思索

【歩き旅と思索】仏教

初めに言葉があった そこから人間の世の中が始まった これは間違いない 聖書の指摘するとおりだ 一方で、その言葉が生まれる以前から世界はあった それは恐竜が地上を闊歩していた時代であり、微生物すら登場する以前の原始地球の時代である 世界は、言葉が…

歩き旅と思索

私は大学2年生のころから歩き旅をしている。 ひとつのまちを出発し、日が昇っている間は歩き、どこかあたらしい土地で休む。 日が明けたら、再び歩く。次の土地に着く。休む。次の日も同じだ。 こういう形で点と点をつないでいき、振り返るとおそらく200…

【歩き旅と思索】 49・デジャビュ

地点から地点へと歩いてつなぐ旅を20年している。 40代となり、体力は確実に衰え、1日に歩ける距離も短くなってきた。 ただ山あいの集落を歩き、海沿いのひなびた田舎道をたどり、ときおり大都市の雑踏を抜ける。その繰り返しにすぎない。 それなのに、…

【歩き旅と思索】 48・今まで一番危なかった道3選

北は福島から南は鹿児島まで歩き、そのルートから枝分かれする形でまた歩きつないできた。 ~歩いた全ルートはこちらです~ 危ない目にもあってきた。その一つが道路交通だ。地方の田舎道ならまだしも、国道でも歩道がほぼないところがあり、真横を大型ダン…

【歩き旅と思索】 47・博多~唐津を歩く(付記)

~簡単な自己紹介はこちらです~ 博多から唐津までの歩き旅で、一つ心すく出会いがあった。 これは記録しておかねばと思い、旅日記とともにブログ上でも書き残すことにしたい。 それは、地域の人々の気持ちいい挨拶だ。 福岡県糸島市、なかでも古代・伊都国…

【歩き旅と思索】 46・博多~唐津を歩く(下)糸島深江~唐津市浜崎

~簡単な自己紹介はこちらです~ 旅3日目。ひたすら海沿いを歩いた。 博多の玄界灘と違い、唐津湾は晴れ間も味方したのか実に凪いでいた。 海面から底の岩場が透けて見える。美しい。 今日歩いた道はところどころで歩道が途絶え、やや危険を感じながら歩く…

【歩き旅と思索】 44・博多~唐津を歩く(上)博多~糸島波多江

~簡単な自己紹介はこちらです~ 先日、三日の休みを使い九州は博多から唐津まで歩いた。 道中見たもの、聞いたこと、感じたことを、書きとどめたい。 初日は午前9時、JR博多駅前をスタート。祇園町を左折し、中州、天神を経てペイペイドーム、福岡タワーを…

【歩き旅と思索】 43・唯一出逢わなかったもの

~簡単な自己紹介はこちらです~ お天道様が上にある間、ひたすら歩く旅では、なんやかやさまざまな出逢いがある。 道端のお地蔵様。ジュースを差し入れしてくれる地元の住民。友達も家族もいない様子の野良犬。それぞれ、思い出があり、心の滋養となってい…

【歩き旅と思索】 42・つないだルート全記録

~簡単な自己紹介はこちらです~ 歩いてつなぐ旅を始めて20年になる。この間、一筆書きのようなかたちでいろいろつなげた。自分の記憶・記録の整理にもなると思い、ここに記載したい。 ※記載する土地名は、その日ごとのゴールであり、次の日のスタート地点…

【歩き旅と思索】 41・リアルにものを見る

~簡単な自己紹介はこちらです~ そこそこ重いザックを背負い、ひいこらひいこら歩みを進める。ところどころで荷を下ろし、足腰を伸ばし、大空をぼおと眺める。疲れがほぐれたら、また荷を背負い、歩き始める。 土地から土地へ歩いてつなぐシンプルな旅だが…

【歩き旅と思索】 40・子供の目、親の目

~簡単な自己紹介はこちらです~ 同じ人間を見るのでも、子供と大人とでは捉え方が全く違う。 純粋な目と、世間を知った上で見るいぶかし気な目。 見つめられるほうは、たまらん。 それを、歩き旅の途上で如実に感じた。 大分県は山中の廃線沿いを歩いていた…

【歩き旅と思索】 39・知られない感動

~簡単な自己紹介はこちらです~ 進むルートも、目的地も、気の向くまま。そのときの気分に従って一筆書きのかたちにつないで歩くばかりの旅には、有名な観光地との出会いこそ少ないけれど、その土地その場所を通りがかった人だけが味わうことのできる感動に…

【歩き旅と思索】 38・テントの次にいい寝ぐら

~簡単な自己紹介はこちらです~ 歩いて土地をつなぐ旅では、なるべくテント泊をするようにしている。 できる限り自然を味わっていたい、空間のつながりを実感したいというのが旅の大きな目的の一つであり、それには野営が一番となる。 ただ、市街地に入ると…

【歩き旅と思索】 37・弁当屋のおばちゃん

~簡単な自己紹介はこちらです~ ザックを背負い、黙々と歩く旅を続けていると、どこかで誰かが声を掛けてきてくれる。 熊本県は南部、通称「ループ橋」と呼ばれる円周形をした橋に差し掛かったときのことだ。 季節はまだ涼しい5月ごろだったと記憶する。さ…

【歩き旅と思索】 36・酒のネタになる

~簡単な自己紹介はこちらです~ 土地土地を歩いてつなぐ旅では、なるべく自然を味わうため、テント泊をするようにしている。 だが、市街地に入るとそうもいかない。安宿で一晩を明かすことになる。 そういったときも楽しみがある。土地の飲み屋探検だ。 一…

【歩き旅と思索】 35・歴史の見方が変わる

~簡単な自己紹介はこちらです~ 土地から土地へと歩いてつなぐ。有名な観光地を通りすがる機会は多くなく、道中多くの時間を過ごすのは、生活感にあふれた小集落だ。 土地土地に、その地域の歩みを伝える歴史標識や看板がある。地元の図書館には、郷土史家…

【歩き旅と思索】 34・体力がなくても楽しめる

~簡単な自己紹介はこちらです~ 地点から地点へと歩いてつなぎ、日本列島の広さを実感する。 目をつむり、それまでに歩いた光景を順々に思い浮かべると、脳内グーグルマップができあがる。歩いてつなぐ旅の醍醐味の一つだ。 この旅のもう一つよいところがあ…

【歩き旅と思索】 33・住んでいる人の空間感覚

~簡単な自己紹介はこちらです~ 土地から土地へ、1日かけて平均25キロ近くを歩く旅を続けている。 20代のころはまだ体力があり、テント寝袋をしょって50キロ近く歩いたこともあるが、40代となってはもはやその半分も歩けない。いやはや、体の衰え…

【歩き旅と思索】 32・夜の無沙汰

~簡単な自己紹介はこちらです~ テントと寝袋をザックに詰め込み、1日歩けるだけ歩く。 日が暮れたらテントを張る。簡単な食事をとり、缶ビールをプシューと空け、ゴロリと横になる。 そのあとは、特に何もしない。 これが私の20年続けてきた歩き旅のス…

【歩き旅と思索】 31・四国は聖地だった

~簡単な自己紹介はこちらです~ ザックを背負い、ひたすら歩く。 これだけの旅だが、道中の扱いが特別によく、ありがたいと感じる土地があった。 四国だ。 いわずとしれた「八十八か所」。皆さん、なにがしかの本願を抱えて道中を歩き、ペダルをこぎ、アク…

【歩き旅と思索】 30・ワン公も思い出

~簡単な自己紹介はこちらです~ ひたすら歩くばかりの旅をしていると、たまにだが妙な体験をする。 東海地方の名城・岡崎城に差し掛かったときのことだ。秋の午後。紅葉の向こうにそびえる城の石垣が実に美しく、しばらくその光景に見入っていた。 さて、ま…

【歩き旅と思索】 29・脳内「ストリートビュー」

~簡単な自己紹介はこちらです~ 歩いて土地と土地をつないでいく旅の、どこが面白いのか。 なかなか「これだ」と端的には答えづらいが、一つユニークなアンサーがある。 脳内「ストリートビュー」ができる。 ストリートビューはご存じの通り、グーグルマッ…

【歩き旅と思索】 28・量から質へ

~簡単な自己紹介はこちらです~ 金はないが時間だけはたっぷりある学生時代と違い、会社員になると歩き旅に出られる時間がめっきり少なくなった。 結婚し、子どもが生まれ、年齢を重ねるにつれ、自由気ままな一人旅はますますしづらくなる。 今では年に1,…

【歩き旅と思索】 28・道中で一番多く出逢うもの

歩いて土地と土地を一筆書きのようにつなぐ旅を始めて20年以上がたつ。 さまざまな人に出逢い、史跡に足をとめ、景色にこころを奪われた。 それぞれの場面が脳裏に焼き付いているが、こうした印象的な出来事とは別に、こころの中で暖かい存在感を発揮して…

【歩き旅と思索】 27・旅日記をつける

学生時代に歩き旅を始めて以来、旅日記を欠かさず付けている。 その日、どのルートを辿ったのか。何を見たか。足腰の疲れ、人との会話、まぶたに映った景色。心の中に浮かんだことを少し。もろもろを、起承転結にこだわることなく、つらつら時系列に沿って書…

【歩き旅と思索】 27・お巡りさんとの出会い

テクテク歩くだけの旅をしていると、いろんな出会いがある。 お巡りさんもそうだ。誤解しないでいただきたいが、お縄を頂戴したわけではない。 学生のころは、道端で見つけた野っ原にえいとテントを張り、一晩をすごすことが多かった。こんな行き当たりばっ…

【歩き旅と思索】 26・収穫のない日もある

右脚、左脚と交互に進めるだけの旅は、いつも印象的な出会いに恵まれるわけではない。 何という発見もなく、まぶたに焼き付くような光景もなく、ただ日がな歩いて終わったーということも少なからずあった。 北関東の一地方都市を歩いていたときのこと(実名…

【歩き旅と思索】 25・星空の美しさに気づく

日がな歩き、足腰がへばったところでテントを張る。翌日も、その翌日も、その繰り返しだ。 単調このうえない旅だが、意外と発見や気づきがあり、やめられない。 日が暮れた後も楽しみが残っている。 栃木県の日光から那須塩原に向かって歩いていたときのこと…

【歩き旅と思索】 24・すべての道は

歩き旅を本格的に始める前のことだ。 大学生で、時間がたっぷりあったこともあり、下宿先の前を通る片道1車線の道路をテクテクと歩き出した。 ゴールは決めない。ただひたすら「真っすぐ歩く」ことにしてみた。一体どこにいくんだろう。 20年以上前。スマ…

【歩き旅と思索】 23・マイクロツーリズム

一筆書きのように移動していく歩き旅では、有名な観光スポットや旧跡ばかりを巡ることは難しい。 その代わりに、土地土地に根差す石碑や古い食堂、地元で数軒しかなさそうな居酒屋など、知名度では測れないアジのあるスポットを訪ねる機会が多く、それがまた…