~簡単な自己紹介はこちらです~
日常生活で家系図について考えることはほとんどないだろう。
どこか古臭く、時代遅れの観があることは否めない。
それでも、人生のあるときにふとした縁で作成に携わることになった人間の立場からすると、これは取り組む価値がある。
先祖の歩みをたどることで、歴史を内側から体験し、学ぶことにつながるからだ。
私は30代半ばのころに親父からの相談をきっかけに取り組んだが、今思うと、子供の「夏休みの宿題」なんかの形で取り組ませてもよかったかなあと思っている。
もちろん、無理強いはできないが、もし少しでも関心を示したら、後方サポートしながら作成を手伝っていたかもしれない。
小学校、中学校、高校で、私たちは歴史を学ぶ。それは自ら体験したことのない単なる知識であり、情報にすぎない。もちろんそれは非常に大切なのだが、どこか腑に落ちてこない。
昔の人は子だくさんだったという。実際、どれくらいの子供を産み育てていたんだろう。
江戸時代は役所の代わりに地域のお寺さんが戸籍管理をしていたという。それはどのような形でしていたのだろう。
時代が遡るほど、地域のコミュニティーとしてのつながりは深かったという。各地で「講」という組織があったそうだ。そこではどのようなしきたりがあったのだろうか。
頼朝が武士の時代を切り開いて以来、東国をはじめとする武士団は領主の知行替えに伴って各地を移動した。江戸に入ると転封により町人含めてごそっと移住するケースもあったようだ。うちのご先祖様はどうだったのだろうか。
もろもろの疑問を、自分の直接の先祖の歩みをたどることで、血の通った知識として理解し吸収することができる。
面白い発見があるかもしれない。ないかもしれない。だが、取り組んでみないことには何事も分からない。
デジタル全盛の時代だけに、こうしたアナログな取り組みをしてみることも、次代を担う世代にとって有益な学習活動になるのではないか。
~お読みくださり、ありがとうございました~