おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【小咄】コロナと酒

コロナの時代に入って、もう2年と半年。

 

いろいろと、変わりましたなあ。世の中は。

 

例えばリモートワーク。会社に行かずにして働けるってなもんで、ありがたいことです。これはコロナが落ち着いた後も続いてもらわにゃなりませんなあ。

 

IT時代、さまさまだ。

 

お酒の世界も、いろいろあってるみたいですな。

 

家飲みが増えました。

 

感染対策もあるから、仕方ない。でもまあ、意外と自由気ままで楽しい面もある。

 

好きなユーチューブ番組なんかを眺め、ガハハ笑いながら昼間のストレスを吹っ飛ばせる。缶ビールなんて、居酒屋で飲むより断然安い。つまみだって、気が向けば自分でつくることもできる。悪くないかもしれない。

 

 あー、今日も疲れた。しかも花金。自分、お疲れ。今日はたっぷり呑むぞう。 

 

ほろ酔い加減でずうっといきたい。グラスには氷を積み上げる。炭酸も遠慮なくドバっと。甘味をちょびっと添えるため、ジュースを少々。そしてスプーンでぐるんぐるんかき回す。

 

 これが、もう何時間もいける。大好きなユーチューバーなんかをつまみに、楽しいひとときをすごすわけだ。

 

 あぁ、今日は飲んだ。満足、満足。そろそろ寝るか。

 

 すっかり膨らんだおなかをさすりながら、ようやく気付く。

 

 お酒入れるの、忘れとった~

 

 飲んでないのに、気分だけで酔っぱらう。これを「エアー酒」というとか、いわないとか。

 

まだある。

 

締めのラーメン屋。連れ出した先輩にビールをすすめられるものの、もう腹がたっぷんたっぷんだ。

 

「すいません、僕はもう、一杯で・・」

 

 すっかりへべれけ。ひじがテーブルからずり落ちそうになっている。ぐいと体を持ち上げようとふんばったところで、はっと我に返る。

 

ゆ、夢か。

 

飲みに出たい願望が、ついつい枕の世界にまで顔を出してしまったよ。

 

これを「ドリーム酒」というとか、いわないとか。

 

会えない時代の「コロナ酒」、実に不思議な飲み方が出てきたもんだ。

 

こんな飲み方してますと、ますます「生」が恋しくなるってなもんです。気の置けない連中と、肩組んで、くだまいて、ジョッキを浴びるほどあおりたいねえ。

 

長いコロナのトンネルも、ようやくちょっとばかし出口の光が差し込んできたようです。

 

出口を抜けたら、みんなで乾杯といきやしょう。

 

仕事はバーチャルで。でもお酒はリアルでね!

 

~お読みくださり、ありがとうございました~