おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【大将と私】13・死後も「出会い」がある

変わり者の大将の紹介↓

ojisanboy.hatenablog.com

 

オカルトものを書くわけではないので、ご安心いただきたい。

 

日本の片田舎でしこしこと男やもめの居酒屋を切り盛りしていた大将は、コロナの混乱下、ひっそりとこの世(大将からいわせればワンダーランドだろう)を去った。

 

酒を飲み、料理をふるまい、笑い、笑わせ、たっぷり人生を楽しみ、みんなより一足も二足も早くゴールインしてしまった。

 

もう大将のいたずら笑いを見ることはできない。寂しい。が、今でも新鮮な「出会い」がある。

 

舞台はユーチューブだ。

 

大将はあるときから、人に誘われたのか、山登りに熱中しはじめた。それは相当に本格的で、やがて日本アルプスにも挑戦するようになったほどだ。途中から山登りの記録を残すようになり、今もユーチューブに編集ビデオがアップされている。

 

私は正直、山のことはよくわからないし、興味もそれほど沸かないのだが、編集された風景風景の背後で流れる音楽が実にかっこよく、聴き入ってしまう。

 

大将は、私なんかがいうのもなんだが、音楽にも造詣が深かった。自分でもギターを奏でた。大将は店でよくお気に入りの曲を流したが、半分以上は私のまったく知らないもので、しかもうっとりするものが多かった。

 

今でも折々に、大将のことを思い出す。そのときは、大将のユーチューブをかける。すると、私の知らない音楽(大将)がまだまだ現れてくる。

 

大将、こんな歌、聴きよったんや。

 

歌手なんか、誰か全く分からない。たまにインド的なミュージシャンも入っている。いわゆるヒットソングはない。なのに、一つ一つの楽曲が個性的で、どうも耳にこびりつく。

 

大将、すげえなあ。

 

今はネットという新たな空間がある。この空間では、まだまだ故人と魂の交流する余地があるのかもしれない。

 

去ってしまった後も、まだまだ大将の知らない一面と出会えるのは、素朴に嬉しい。

 

ネットの世界も、悪くない。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~