大将と私
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com その人を前にすると、日ごろの悩みや胃の痛くなる話が頭から外れる。そんなありがたい存在がいれば、どれほどいいことか。 私には、幸いにもそういう得難い人物がいた。20代のころ、ひたすら入り浸ってい…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 50を超えたおっさんなのに、不愛想なのに、どこまでも愛嬌があり、慕われる居酒屋の大将がいた。 私も他のファンに負けないくらい、大将に入れ込み、頻繁に大将の店に足を運んでいた。それこそ、20代の…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 愛想はないのに悔しいほど愛嬌があり、一部のマニアから熱烈に愛されていたのが、私も入れ込んでいた居酒屋の大将だった。 いつも余裕をぶっこいたような顔をして、店が儲けても儲からなくても涼しい顔をし…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 日々、儲けてるのか損してるのか分からないようなギリギリ経営を続けていたのが、男やもめの大将だった。 料理を楽しみ、客とのやりとりを楽しみ、店を閉めた後は自分が客になってなじみの店になだれ込む。…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com オカルトものを書くわけではないので、ご安心いただきたい。 日本の片田舎でしこしこと男やもめの居酒屋を切り盛りしていた大将は、コロナの混乱下、ひっそりとこの世(大将からいわせればワンダーランドだ…
親には先立たれ、家族なし兄弟姉妹もなし、天涯孤独を体現したような人が大将だった。 はた目にはやや悲惨でもあった。 地方都市で一人しこしこと居酒屋を切り盛りしていたが、お客さんに愛想を振りまくでもなく、むしろ相性の合わないお客さんは積極的に追…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com お世辞にも「きれい」とはいえず、女性客や紳士には縁がほとんどない居酒屋だったが、一人切り盛りする大将の腕だけはホンモノだった。変わり者の大将のキャラクターだけでなく、その料理もファンを引き付け…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 私は大学を卒業するまで、何という取り柄もない人間だった。特技といえるものもなく、彼女もいたことがなく、友達も多くなく、いつも不安で自信のない、我ながら思うが頼りない人間だった。 そんなコンプレ…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめの大将が営む居酒屋はどこまでも油くさく、むさくるしく、しかしそれだけにアジがあって、一部の男性客にとってはたまらない楽園だった。 一見、教育とは無縁のようにみえた。が、実は大将は学のあ…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめで、女性にはすっかり人気のない居酒屋の大将は、だが変わりもの好きな一部ファンらによって日々をしのいでいた。 そんな店だから、集う客同士のつながりも自然、太くなった。 私が大将の店に足しげ…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 商売をするというより、居酒屋という舞台を気ままに生かして人生を楽しんでいるような人が大将だった。 儲けより、「楽しい」「面白い」を優先する。だから、店の狭い空間の中でもいろんな濃い体験をした。 …
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめの居酒屋大将は、ある意味失うものがないというか、破れかぶれというか、すがすがしいほどに人生に商売にあっけらかんとしていて、眺めている方からすると実に羨ましく輝いていた。 人間らしい表情…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめの居酒屋は、当然ながら掃除も行き届かず、そのため女性客には敬遠されていた。 注文を強いることもなく、ボケーとしているだけでも何も言われなかった。 儲けようとガツガツすることなく、その日を…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 男やもめの大将が営む居酒屋は、油のにおいがどっぷりしみこみ、とても若い女性が足を踏み入れるような空間ではなかった。 それでも、大将のあまのじゃくで甘えん坊なキャラクターに引き込まれた一部のマニ…
変わり者の大将の紹介↓ ojisanboy.hatenablog.com 変わり者で、愛嬌があって、一緒にいるとどこまでも楽しくなる、居酒屋の大将がいた。 思い出は無限といっていいほどある。一つまた、挙げてみたい。 店になじんできたころのことだ。私は空いていた小上がり…
私はアラフォー、嫁さん子持ちのしがないサラリーマンだ。 今でこそそれなりに落ち着いた暮らしをしているが、20代前半までは彼女がいたこともなく、友達も多くなく、自信もなく、どうにも息詰まる青春時代を送っていた。 真っ黒といっていいぐらいに映え…