【サラリーマン、家系図をつくる】20・「ファミリーヒストリー」番組の取材陣よりも私たちは恵まれている
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公共放送で放映されている「ファミリーヒストリー」が人気だ。
主人公となる役者さんや芸能人の先祖を番組スタッフらが調べ、ご本人に驚く事実を伝えていく。そんなご先祖様がいらっしゃったのか。こんなことをされていたのか。見ている方も感銘を受けることが多い。
これだけ調べ込んでいるのは、スタッフの調査力がずば抜けているからだろう。それは間違いない。
だが、それだからといって一般人に同じことができないとはいえない。
家系図づくりに携わり、ある程度は納得いくところまでさかのぼった人間として、「むしろ本人のほうがリサーチする上で他に勝るアドバンテージがある」と主張したい。
家系図をつくるための第一歩ともいえる除籍謄本については、基本的に本人しか取り寄せることができない。委任状(?)があれば第三者が取り寄せることができるものの、それは面倒だ。
一族の中で歴史に詳しい方に話を聞こうにも、縁もゆかりもない第三者が寄っていったってそう簡単に口を割ってくれるものではないだろう。一方、家系図に登場する本人なら、熱意を込めて説明することができ、その気持ちに親族が共感し、胸を開いてさまざまなことを教えてくれるだろう。
それに、一族の歴史をたどる作業には、専門家のような詳しい知識はそれほど求められないと私は感じる。むしろ、本人の熱意が大切だ。これがあれば、関係する人々の協力をつかむことができ、課題に出くわしても乗り越えていける可能性がある。
21世紀にもなって家系図づくりかーと思われるかもしれないが、歴史は日々薄れていくものであり、記録にとどめなければなかったことになってしまう。せっかく命を授かった者として、ご先祖様の名前、歩みの痕跡だけでも文字にとどめることは、代えがたい価値のあるものではないだろうか。
~お読みくださり、ありがとうございました~