【サラリーマン、家系図をつくる】19・日本史自体の生きた学びになる
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家系図づくりを通していろいろな文献をあさっているうちに、日本史そのものを学んでいるなあと感じることがある。
私の一族はいつからここに暮らしているのか。その前は。どのような理由で移り住んできたのか。
こうした疑問を解く鍵は、日本史の教科書に載っていることが少なくない。
私見をいわせていただくなら、先祖代々、1000年以上にわたって現在地で暮らし続けているーという家庭はほとんどないと思う。大和朝廷の時代ならいざ知らず、鎌倉の武家政権誕生、室町期の混乱、戦国の下剋上、江戸の転封に次ぐ転封。こうした歴史の転換点を節目に、一族そろって土地から土地へと移り住んだケースが少なくないと私は考える。
私の一族のルーツは、本家家系図の資料によると「京」とあった。では、いつ、なぜ、どのような経緯で下ってきたのか。それは説明がないので分からないが、私の名字と地域から察するに、ある程度の憶測がたつ。おそらく室町誕生期、地方に下った武士団の一員として加わっていたのだろう。詳細はプライベートなことなので書けないが、日本史の教科書に書いてある出来事を踏まえると、そのような憶測が成り立つ。
昔は京をはじめとする近畿に力があった。武士も公家も商人も技術者も、みんながそこに張り付いていた。しかしやがて権力闘争のひずみからはじき出された者たちが現れ、地方に散っていった。地方で地元の豪族と姻戚関係を築き、一族飛躍のチャンスをうかがった。こうしたケースは数限りなくあるのだろう。
日本史の教科書には、こうした経緯が淡々と、味気なく書かれているだけだが、家系図づくりをしていると、生きた血の流れのように感じ取ることができる。私の先祖も地方にチャンスを見出さんといつの時代かに飛び出したのだろう。
自分の家系という、最も身近なところに、生きていて愛着のわく教材がある。
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