一族の本家や分家に、家系図の資料がないケースもあると考えられる。その場合でも、遡る手立てはいくつかある。
①墓地を調べる
②お寺さんの過去帳を調べる
③図書館で地域の歴史を調べる
①については、意外と発見が多く、かつ面白いのでおすすめしたい。
江戸期以降の墓石には、正面に戒名、側面に俗名、没年月日、当主との続柄などが刻まれている。これをワードファイルなどでデータ化していくと、一族のつながりがうっすらと見えてくる。
墓石の正面、両側面の写真を、1枚1枚撮りためていく。苔が生えていたりするが、水を掛けるなどしてなるべくきれいにし、フラッシュを当てながら撮る。凹凸が分かるように撮れば、家に帰って文字を調べるときに助かる。
私の場合は、ある代の先祖の説明として「亡市郎衛門悲母」とあった。これはおそらく、当主の母親であることを示しているのではと推測した。「悲母」とは、なんとつらい表現か。読んでいるこちらまでむせてしまいそうだ。
②も大変役立つ。お寺さんだ。ここには檀家さんたちの没年、住所が克明に記録されている。ただ、最近はプライバシー保護の観点から公開しないところが増えている。その点でも、早め早めに動くことをおすすめしたい。
③は、これも意外に強力だ。都道府県、市町村の図書館には、地域地域の郷土誌や古文書が多数保管されている。自分のご先祖様が暮らしていた土地の歴史、時代時代の住民について、意外と多くの情報がこうした史料に残されている。
それは武家だけでなく、町人、職人など幅広い業種に及ぶ。農民の中にも庄屋や役のある人物たちがいた。なんとはなしに眺めてみると、意外な発見があったりする。私は地元の古文書の中に先祖(本家の当主)の名前とその記録をわずかだが見つけ、胸が高鳴った。先祖と、ここでもつながった。
さまざま、上にさかのぼる道はある。お墓、お寺さんの過去帳、図書館史料は、どれも調べる価値がある。時間のあるときなどにふらりと訪ねられてはいかがだろうか。
~お読みくださり、ありがとうございました~