英語を学ぶのにふさわしい教材は、市販の教科書や問題集ばかりではない。
むしろ、日々地球の各地から配信されるニュースや記事の中にこそ、学びや驚き、発見があるといえるかもしれない。
私は語学を趣味にしている一介のサラリーマンにすぎないが、同好の士のため、「これは面白い」と感じた記事はなるべくシェアしていきたい。英語を学ぶ人は年齢層も語学水準も関心も幅広く、どの方も刺激や学びのソースを求めていると考えるからだ。英検3級水準以上の実力がある方を想定して、イイ!と感じたものを紹介していこうと思う。
私個人の語学経歴についてはこちら(英語)とこちら(中国語)をご参照いただきたい。
最近、「おおっ!」と興味深く読ませてもらった記事がある。
言語は国を問わず、絶えず新たな単語を生み出し続けている。中でも、強い影響力を持つ人物からは、時代の要請に応えるために数多くの言葉がひねり出されているようだ。
この記事は、アメリカの歴代大統領が生み出した新語に焦点を当てている。それにしても、これほど多くの単語たちが大統領発だったとは。正直、驚いた。
一つ一つが興味深いが、例を挙げると
military-industrial complex(軍産複合体)
記事によると、これは1961年にアイゼンハワー大統領が生み出したそうだ。その理由については
to warn against the powerful alliance of the military, government and private corporations. (軍、政府、民間企業の力強い連携に対して警鐘を鳴らすため=私訳)としている。今や日本語でも「軍産複合体」という単語はすっかり浸透しているが、こんなところにルーツがあったとは。
政治でもう一つ、
solid majority(安定多数)というのがある。日本でも選挙特番では必ず登場する単語だ。これは、ニクソン大統領が生みの親だそうだ。
ちょっと歴史背景の知識が必要な単語もあった。向こうの国では定着している言葉のようだ。
loose cannon(危険人物、危なっかしい奴、やらかしかねない奴)
これはルーズベルト。cannonは艦船に載せる大砲のことで、昔は綱でしっかり船体に固定させていたという。固定がしっかりしていないと、甲板の上で思わぬ方向に動いたりと実に危なかったようだ。そんな場面を思い起こしたのか、ルーズベルトさんはこんな言葉を生み出したようだ。おそらく、実際にcannonがlooseになって水兵たちを冷や冷やさせたことがあったのだろう。そして、そんな言葉にぴったりの人物がいたのだろう。
最後に、これは正直、驚いた。
cool
こちらはリンカーン。もちろん、「寒い」という意味では以前から使われていた。リンカーンは、そこに「かっこいい」「よい」という意味を新たに加えたのだという。
この記事で紹介されている大統領発の新語は20ぐらいに及ぶ。眺めるだけでも面白い。それだけ大統領に影響力があり、センスがあり、時代のニーズをつかみとる肌感覚に優れていたといえるのではないか。
英語の勉強にもなるし、何か雑談のネタぐらいには使えるかもしれない。一読する価値はあるかと思う。coolな言葉が並んでいる。
~お読みくださり、ありがとうございました~