おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【歩き旅と思索】 ~21・好きなものを少し離れて眺める~

~簡単な自己紹介はこちらになります~

ojisanboy.hatenablog.com


大学進学の際、寝台特急で上京した。車窓から見上げた富士山のスケールの大きさに、息をのんだ。それ以来、富士山のファンでいる。



歩き旅でも、何度か富士をテーマにコースを選んだ。



あるときは静岡県富士駅を出立点に、富士を右手に見やりながら時計回りに歩くルートを進んだ。



円錐状の美しい山体を存分に味わいながら歩く旅は、最高だった。



季節は夏真っ盛りだったが、ススキの穂がそよぎ、ほのかに秋の訪れを感じさせ、富士を背景にしてシャッターに収めると実にのどかな瞬間をつかまえることができた。

 


私が富士山ファンであることを知っている人からは「なぜ登らないのか」と不思議がられる。だが、それは選択肢に入らない。



美しいものをずっと眺めているのが最高の幸せなのであって、近づくほど見えなくなり、もどかしくなるからだ。



富士五湖のひとつ、精進湖のキャンプ場から眺めた富士は最高だった。手前にこんもりと小さな山を抱え、「親子富士」と呼ばれるほのぼのした光景をほぼ独占することができた。忘れることのできない僥倖だ



これからも富士に登ることはないと思う(その意欲も体力もない)が、眺め上げる旅は続けていくつもりだ。


旅の仕方もいろいろあっていいと考える。



~お読みくださり、ありがとうございました~