【サラリーマン・宇宙感動記】21・使えるとカッコいい宇宙用語
~簡単な自己紹介はこちらです
人間だれしも、エエカッコしいをしたくなるものだ。
ここぞというタイミングで、シビれるセリフを一言つぶやくだけで、「わーこの人、カッコいー」と、なるかもしれない。
ならないかも、しれない。
それはさておき、宇宙分野でもカッコいい用語がある。覚えておくだけでも、損はしない。挙げていくと
①潮汐ロック
③レッド・ドワーフ
おお、どれもかっこよさそうじゃないか。シビれるぜ!
と感じていただいたと想定して、少しばかり補足説明をさせていただこう。
①の潮汐ロックは、音楽の「ロック」を思わせるが、ちょと違う。どちらかというと、映画「トップガン」で使われるような「ロック・オン」のほうの「ロック」だ。
例えば巨大な星Aがあるとする。その星の近くを、小さな惑星Bが公転しているとき、惑星Bは自転することができず、同じ面をずっと星Aに向け続けることになる。これが「潮汐ロック」だ。
身近な例でいうと、私たちの地球と月のような関係だ。お月さまは常に同じ地表面を私たち地球に見せている。夜になれば、いつもウサギさんが登場するのは、月に潮汐ロックが掛かっているからだ。
満月の夜なんかに、彼女さんや奥さん、子供さんたちの前でささやいてみよう。
「あー、今日も『潮汐ロック』掛かってるなあ」
モテること間違いなしだ。たぶん。
②のガンマ線バーストは、これまたなんだかスケールが大きそうだ。「バースト」は、その名のとおり「爆発」を意味する。強大なガンマ線を放出する、宇宙の一大イベントといえる。
巨大な天体(太陽を大きく超える恒星)が、燃料となる水素を使い果たし、もう核融合できなくなったとき、つまり天体としての最期を迎えるとき、力は膨張から圧縮のほうへ逆方向に向かい出す。そこでとてつもない大爆発が起き、自転軸に沿って強烈な放射線が宇宙空間に放たれる。
自転軸を両方向に無限に伸ばした直線上にある天体は、壊滅的な被害を受けることになる。
これ、おとぎ話ではない。地球から約500光年離れたところにある赤色超巨星・ベテルギウスが、そろそろ最期を迎えようとしている。ベテルギウスがガンマ線バーストを放つとき、もしその延長線上に地球があったら、それは文明の死を意味する。
科学者によると、幸いにもベテルギウスの自転軸から地球はわずかばかしずれているらしい。
冬の空を見上げてみよう。煌々と輝くオリオン座を指さし、誰に話しかけるともなくつぶやこう。
「ああ、あの赤い巨星も終焉を迎えるのか。『ガンマ線バースト』が僕たちを襲わないことを祈るばかりだ」
周りの誰かはすっかりシビれるか、ヒくかするであろう。
③もよく宇宙ニュースで目にする。邦訳すると「赤色矮星」だ。私たちの太陽のように、表面温度が6000度近い恒星は比較的珍しいようだ。多いのが3000度前後の「寒い」恒星。天体としてのサイズも小さい。
ただ、こういうレッド・ドゥワーフは寿命が極端に長い。太陽の100億年にたいして、その10倍かそれ以上生きながらえるらしい。レッド・ドゥワーフの周りでは数多くの惑星が発見されている。こうした惑星は生命を宿している可能性がある。
テレビで、惑星発見のニュースがたびたび流れる。こうしたときに、つぶやこう。
「ああ、主星がもし『レッド・ドゥワーフ』だったら、惑星も長生きできるかもなあ」
すっかり気取った奴として、敬遠されてしまうかもしれない。
ともあれ、宇宙の世界は独特な用語であふれている。音感が面白いものも多い。ぜひ二つ三つ、覚えていただき、なにかのタイミングでズバッと使ってみていただきたい。
何らかのリアクションが得られるはずだ。まあ、潮汐ロックよろしく、カチコチに固まった表情に接することになるかもしれない。
~お読みくださり、ありがとうございました~