【サラリーマン・宇宙感動記】9・目に見えないもの
目に見えるものだけが、世の中のすべてではない。
これは道徳や宗教に限った話ではないようだ。
夜空を見上げると、私たちの地球の兄弟星である金星や火星がひときわ明るく輝いている。
それぞれ、走るコース(公転軌道)が異なる。外側のコースほど距離が長くなり、1周するのにかかる時間も延びる(金星224日、地球365日、火星686日、木星11年、土星29年)。
陸上競技と同じだ。第1コースのほうが有利。どの世界も、そんなものだろう。そう考える。
ところが。視野をもう少し広げると、私たちの常識では理解できないような世界が広がっている。
太陽系が属している、天の川銀河。直系10万光年の巨大な星々の集団は、それぞれが長い時間をかけて銀河中心部の周りをぐるりと走り続けている。ちなみに太陽系は、銀河中心部から約2万8千光年離れたところにいる。
そこで考える。私たちより内側にいる恒星系は、より早く一周できるのだろう。反対に、外側にいる恒星系は私たちより足が遅いのだろう。
これが、どうも違う。どれも同じ。第1コースの星も、第3コース、第10コースの星も、同じ速さでぐるぐる走っているというのだ。
それをどうやって確認したのかは、科学者ではないので分からないが、世界の天文学者たちがそう指摘しているので、そうなのだろう。
一体どういうことなのか。
実は天文学者たちの間でもまだ分かっていないという。
正体不明の重力で、星々を引き寄せている存在を、彼らは「ダーク・マター(暗黒物質)」と名付けた。
眼には見えず、肌で触れることもできないが、しかと存在する何かの巨大な力により、あらゆるものがつながっている。
なんと不思議。ロマンを感じさせることか。
宇宙のことは、知れば知るほど不思議が芽生えてくる。奥が深く、楽しく、ワクワクしてくる。こころを、少年少女の時代に戻してくれる。
~お読みくださり、ありがとうございました~
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