おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【サラリーマン・宇宙感動記】13・地球の常識、宇宙の非常識

地球人の目線から考えるとしごく当然のことが、宇宙全体からみると例外的で珍しいーといったことがある。

 

日が昇り、沈む。一日が過ぎる。

 

これ自体、珍しい。

 

私たちの太陽系に最も近い恒星系として、ケンタウルス座アルファー星が知られている。光の速さで約4年かかった先にある天体だ。

 

ここにも地球と同じような岩石惑星があることが確認されている。その名を「プロキシマ・ケンタウリ」という。プロキシマとはスペイン語で「最も近い」を意味するらしい。

 

この惑星、実は「1日」がない。日の出も、日の入りも、ない。いわゆる、時間の変化が、ない。

 

惑星が主星(地球にとっての太陽)に近すぎる影響で、地球のようにクルクルと自転することができなくなっている。これを「潮汐ロック」という。

 

潮汐ロックが掛かってしまうと、例えば主星を向いている面は永遠に昼となり、反対側の面は永遠の漆黒となる。

 

もしこの惑星に生物がおり、宗教が生まれていると仮定しよう。

 

その場合、地球のキリスト教のような「創世記」は生まれない。宇宙が誕生して〇日目に何が起きたーということはありえない。「1週間」があり、「安息日」があり、といったこともない。こうしたもろもろのことが、その惑星の住人たちにとっては「非常識」となる。

 

よくよく調べると、今地球人が把握している系外惑星(約5000個)のうち、潮汐ロックに掛っていないものは数えるほどしかない。

 

我々地球人の常識が、宇宙にとっては必ずしもそうでないということに気づかされる。

 

不思議な感慨を覚える。

 

思考を柔らかく、夜空を見上げると、無限の気づきと感動がありそうだ。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~