おじさん少年の記

いつまでも少年ではない。老いもしない。

【サラリーマン・宇宙感動記】1・信号待ち重ねて星空に気づく

30代後半のころから、宇宙のことについて興味が沸きだした。

 

きっかけがある。

 

当時、地方都市から東京に単身赴任していた。東京は何をするにも徒歩、徒歩、徒歩だ。交差点で立ち止まって信号待ちをする機会が増えた。日が暮れ、何を考えるともなく夜空を見上げているうちに、気になり始めたのだ。

 

夕暮れ時にひときわ強く輝くのは、いわずとしれた宵の明星(金星)だ。

 

でも、どうして宵とか明け方にしか登場しないのだろう。深夜だとみられないの?どうして?素朴な疑問がわいてくる。スマホで宇宙関連のサイトを調べてみると、それほど苦もなく理屈が分かってくる。

 

いうならば、陸上競技場の中心部にあるのが太陽。金星は第2コース。地球は第3コースだ。金ちゃんと並走している時間帯は、太陽がまぶしすぎて見れない。金ちゃんが私(地球)よりだいぶ前を走るか、遅れるかしたときにだけ、太陽に照らされた金ちゃんの横顔を眺めることができる。

 

ちなみに深夜に眺められる景色は、私を挟んで太陽と真反対の方角(第4コース以遠)になる。ここは金ちゃん、走ってない。なので、絶対に見ることができない。もし見れたら、金ちゃんはコースを外れたことになる。惑星失格だ。まあ、ないだろうが。

 

夜空を見上げ、金ちゃんを認めたとき、「ああ、今日も元気に走ってるな」「僕ら(地球)より、やっぱ足が速いなあ」と思う。太陽を中心にした壮大な宇宙競技場を、今私は目の当たりにしている。そのスケールの大きさに、圧倒される。

 

宇宙は広い。そのミニマムの単位といえる、私たちの太陽系も、実に実に広く大きく、奥深い。

 

興味は、尽きなさそうだ。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~