限られた時間と予算の中で、英検1級に合格したい!という社会人の方をイメージしながら書いている。
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以前、仕事の延長線上でアメリカを訪れた。
それまで訪米経験はなかった。語学自体はずっと「抜かず刀」で磨いてきたものの、現地での実践経験はなく、どれくらい役に立つかは分からなかった。不安があった。
業務自体は、通訳さんもいてくれたことからつつがなく終えることができた。
ただ、流れでお酒を交えた親睦会もあり、そこでは語学力が試された。
もう40を越えたいいおっさんであることもあり、特段萎縮することもなく、目が合った人と雑談を交わしていった。ジャパニーズ・サラリーマンはアフターファイブこそ本領発揮の場なのだ(古いか)。ビジネス関連の色が濃い親睦会ということもあり、米国と日本との間の文化の違いなどで話が盛り上がった。
私は相手さんの言う言葉の7割程度しか理解できなかった。が、その身振り手振り、表情から、いわんとすることはほぼつかめた。それに対して、私の話す言葉は語彙に乏しかったが、平易な言葉を使いながらもシンプルに、伝えたいことを、トントンとリズムを踏みながら話していった。それが、相手に伝わった(と表情から推察できた)。
文法や単語は多少間違っていてもたいしたことはない。要は、伝えたいポイントをはっきりさせること。文章の流れは「~だから・・だ」「~だけれども、・・だ」、このどちらかで構成した。分かりやすく。日本式に極端な謙遜や賛辞の表現を使うことなく、現地の方の表情を見ながら、自分のメッセージが伝わっているかどうかを確かめながら、コンパクトに伝えていった。
あれ、こんなにスムーズに外国語で会話ってできるんか。
拍子抜けした。お酒が少し入っていたこともあり、あっという間に相手さんとの距離が縮まった。その後も会話の様子を見ていた別の方が現れ、地元経済や地域貢献などについて意見交換をした。
意思疎通をスムーズにする上では、細かな文法や表現にこだわる必要はない。下手でもいい、自分の使いこなせる言葉で、シンプルに、伝えればいい。そのことを、当時の経験から学んだ。
真面目な日本人は、とかく上手く話さなければと焦りがちだと思う。が、ネイティブでもなし、所詮できるわけはない。かといって卑下する必要もない。非ネイティブであることを負い目に感じることもなく、堂々と、自らの体得したシンプルな言葉で、メッセージを伝えるよう心掛けることが大切だ。
初めての訪米で思いのほか意思疎通がスムーズにいったことは、大いに自信になった。
英検の面接も同様だ。借りてきた言葉で答えようと冷や汗をかいて失敗するぐらいなら、簡単な言葉でもしっかり使いこなせる自分の表現でメッセージを伝えるほうが百倍ましだ。合格にも近づく。そうした姿勢がスピーチや会話の肝になると考える。
~お読みくださり、ありがとうございました~