おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【サラリーマン、家系図をつくる】11・言い伝えをあらためて検証する

~簡単な自己紹介はこちらです~

ojisanboy.hatenablog.com

 

家系図をつくる際、過去帳や除籍謄本とした文字媒体での記録に加え、祖父母などからの言い伝え、伝承というものも参考になることが多いと考える。

 

そこには、世代から世代へ語り継がれていく中で若干の齟齬・勘違い・誇張などが混じっていく可能性はあるが、見過ごすにはもったいない真実があるのではないか。

 

ここまで書いて、私にも何かお話できる具体例があればいいのだが、残念ながらそれほどたいした口承はない。ただ、家系図づくりにある程度本格的に取り組んだ者として、他の方々が雑談で一家の言い伝えについて触れられるのを耳にすることが折々にあり、「そんな素晴らしい伝承があるなら裏がとれるんじゃないですか」と申し出たくなるのだ(仕事関係の方なので差し出がましいと思って言えていない)。

 

「うちの先祖は◎◎の戦いで敗れて落ち延びたらしい」「代々、小刀を守り継いできたらしい」

 

こんな話をちょこちょこ伺う。それは、それなりに理由があり、証拠となるブツも見つかる可能性がある。あるいは、その伝承そのものを真実と仮定して地域の歴史史料に一回目を通してみることをお薦めしたい。ご先祖がどれだけ重い役割を果たしていたか(当時の地域社会で)が分かる可能性が高い。

 

私が仕事を通じて知り合ったある方は、経歴や言い伝えを聞く限り、戦国大名の傍系子孫だった。だが、その方は歴史に興味関心が高くないのか、ご存じでなかった(あるいは、うっすらご存じであってもその希少性を意識されていなかった)。

 

他人である私が力んで話すことでもないので、それなりに触れる形でとどめたが、こうしたケースは意外とあるのではないかと感じている。

 

一歩でも動くことで、事態が変わることもある。

 

仕事で付き合いのある方の御父上のお話だ。その方は先祖から「うちは戦国武将の家系だ」と言い伝えられてきたらしく、ある時期、自分の苗字にゆかりのあるとされる一地方の集落を訪れたという。すると、地域の住民から「殿が帰ってきた」と歓待されたというのだ。

 

もう数十年前の話だ。本当にその「殿」の子孫であるかは分からない。だが、御父上が実際に一歩を踏み出したことで、現代に至って予想もしていない出会いが生まれた。

これはとても素晴らしいことではないかと思う。

 

何か言い伝えがあれば、確かめてみること。少なくとも手と足と頭を動かしてみること。すると、何か新しい発見、感動、出逢いがあるかもしれない。おすすめしたい。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~