家系図を作成する際、補足情報として役に立つのが古文書だ。
代々自宅で保管されていたり、親戚の手の元にあったり、あるいは公立図書館で記載内容がワープロ打ちを経て冊子化されていたりする。そこにも、一族の先祖や来歴を探る貴重な情報が載っている可能性がある。
私自身、こうした文献から相当な量の補足情報をつかむことができた。
一方、調べれば調べるほど、記述内容につじつまの合わないことが見つかり、頭の中が混乱するようにもなった。
特に江戸初期よりも昔について、情報が3通りほどに分かれて判断に迷っている。公的な文書(藩のまとめた史料)によると、私の名字の一族は現在地から1000キロ以上離れた地域の出身であると断定されていた。ネットの情報(これは信ぴょう性が薄いと思うが)でも、その指摘は一致していた。
一方、私の本家が保管していた由来文書を読むと、「京」とあった。
さらに、同じ名字の名士に聞くと、また違う地方の名を挙げられた(ほぼ断定的に)。
一体どれが正しいのか。
正直迷っているが、少なくともいえるのは、一つの文書が見つかったからといって、それが真実だと単純に決めつけてしまうのはいささか尚早かもしれない、ということだ。
今も昔もそうだが、人の記憶にはあやふやな部分も、思い込みも、若干盛った部分もある。そこらへんの曖昧さを排除しながら、丁寧に、もつれた糸をほどいていくと、まだまだ面白い発見や感動に出逢えるかもしれない。私は少なくともこの探索の旅を続けるつもりだ。
~お読みくださり、ありがとうございました~