おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【歩き旅と思索】 ~20・同行二人~

~簡単な自己紹介はこちらになります~

ojisanboy.hatenablog.com


一人、空の下を黙々と歩くのは一見孤独だ。

だが、よくよく振り返ってみると、寂しさはそれほど感じない。

自分のこころの中で、自分と対話をしている。

ああ、山の緑、映えるなあ。

こころの中でつぶやく。つぶやいた瞬間に、聞き受ける立場として同じ言葉を吟味し始める。

川面を悠然と滑空する鳥を眺める。この鳥はまあなんと優雅なんだ、そう思ったとき、それはたしかにそうだ、と相槌を打っている自分に気づく。

これは不思議な現象のようだが、言葉を持つ私たち人間に与えられた特殊な才能なのではないかと思う。

思い、考え、ひらめき、感情。こうしたものを発する側にもなり、受け取る側にもなる。

歩きながら、こころの中で意識せず対話を重ねながら、思索を深めることができているように感じる。

 

自分が自分と旅をする。

 

ただ歩くという素朴なかたちが、その感覚をより鮮明に抱かせるのかもしれない。

 

歩き旅の醍醐味だ。

 

 

 

~お読みくださり、ありがとうございました~