【歩き旅と思索】 ~20・空間の捉え方が変わる~
ただ歩くだけの旅だが、これがどうにも面白い。
明確な理由や理屈があるわけではない。ただ、面白くて楽しいから 歩いている。理屈は後からついてくる感じだ。
出発地点から一歩踏み出した時点で、世界の見え方が変わってくる 。日ごろ見慣れているはずの道路、ビル、看板、青空、樹木、 あらゆるものが、限定された意味から解放されて迫ってくる。
道路であれば、「人や車の往来をスムーズにするためのインフラ」 、という機能面にとらわれることなく、ものそのものとしてとらえ るようになる。あらゆるものが、不思議な存在感を放ってくる。
これはどうしたことか。考えてみるに、現代社会で生きる私は日ご ろ、さまざまな制度や機能の枠組みにはめ込まれた形で生きている 。会社員として決まった時刻に出社し、与えられた特定の空間で仕 事をし、一定の時間の枠内でランチを食べ、 陽が暮れると帰途につく、といった具合だ。 そこでは効率性や機能性が大いに発揮され、現代社会ならではの恩 恵にあずかることができる。だが、少々堅苦しさ、息苦しさを感じることもある。
明確な理由や理屈があるわけではない。ただ、面白くて楽しいから
出発地点から一歩踏み出した時点で、世界の見え方が変わってくる
道路であれば、「人や車の往来をスムーズにするためのインフラ」
これはどうしたことか。考えてみるに、現代社会で生きる私は日ご
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