私は地方都市に暮らすしがないサラリーマンだ。
地方の醍醐味の一つが、飲み屋だろう。安くておいしくって、愛嬌のある居酒屋大将やらスナックのママさんたちが、ゴロゴロいる。
というわけで、一介の呑兵衛でもある小生が、実際に出逢った猛者、もとい、個性的なママさんたちを紹介していきたい。プライバシーもあるので名前などは出せないが、そのキャラをイメージしていただき、つかの間ニンマリしていただけたら幸いだ。
そのママさんは、自由自在、天衣無縫であった。
60はゆうに超えていると思われるが、ひょうひょうとしてつかみどころがなく、かといって愛想がないわけでもなく、そんなママさんを慕って(というか、その自由な雰囲気が気に入って)少なくない常連客が足を運んでいた。
カウンターのおっちゃんが声をあげた。
ママさん、グラス空いたんだけどよお。ロックでお願い!
・・人影が、ない。
あれ、ママさん?ママさーん? 大丈夫かな
私を含むカウンター客が店の中を見回すと、ガヤガヤに紛れて後ろのソファでコックラコックラ櫓をこいでいらっしゃるのであった。
これまた、憎めんのじゃ。
ちなみにママさんはその街で屈指の”色白”さんで、どこまでが顔でどこからが首なのか分からないほどに塗りたくっていた。それもママさんの愛嬌だ。今も健在でいらっしゃる。
ちなみにお代は何時間いても、何杯飲んでも、3000円。地方都市、万歳。スナックのママさん、万歳!
~お読みくださり、ありがとうございました~