【サラリーマン・宇宙感動記】18・恒星・惑星探査の先があった
宇宙探査の分野は日進月歩の勢いで技術開発が進んでいる。
21世紀に入る直前まで、私たちの太陽系以外に惑星(地球や土星のような、自らは輝かない天体)を見つけることは困難だった。実際、ほとんど見つけられていなかった。
それが、ものの20年ほどで約5000にも上る系外惑星(太陽系以外の惑星)を発見するに至っている。
さらに驚くことに、リサーチのターゲットは恒星・惑星の先に向かっている。
衛星だ。
例えば地球なら月。火星ならフォボスとダイモス。木星なら「ガレリオ衛星」として知られるイオ、エウロパなど。これらは惑星の周りを公転する天体で、図体はさらに小さい。見つけることはより困難になる。
その衛星の世界でも、地球上の叡智が詰め込まれた幾多の宇宙望遠鏡のおかげで、発見が始まっている。
ここで一つ、疑問が沸くかもしれない。そんな小さな衛星の存在を探して、何の意味があるのか、と。
これが、大ありなのだ。
よく、地球外生命体が生息しているかもしれない天体として、地球と同じような岩石惑星が挙げられる。恒星の周りを、一定の距離を置いて回る天体だ。もちろんこれらには生命存在の可能性が大いにありえる。ただ、それだけとは限らないのだ。こうした惑星をとりまく衛星にも可能性が潜んでいるという。
太陽系を例に挙げると、木星の衛星・エウロパがそうだ。木星の強力な重力によってエウロパ(分厚い氷に覆われた天体)の中心部で摩擦が起き、高熱が生まれ、液体の水で包まれた巨大空間ができあがっていると推測されている。
NASAは遠からずエウロパに向けて探査機(エウロパ・クリッパー)を打ち上げ、氷の地表から噴出される水などを調べながら生物存在環境の有無を調べる予定だ。
こうした身近な例からも期待できるように、系外惑星の衛星にも生物が存在している可能性が大いにある。これからの宇宙探査では、恒星、惑星に続いて「衛星」も楽しみな調査ターゲットになる。先日はNASAの宇宙望遠鏡・ジェームズウェッブ(JWST)も稼働を開始しており、新たな発見に期待したいところだ。
ああ、宇宙っておもしろい。
仕事やら何やらで心が疲れたときは、漆黒の空間に広がる世界に思いをはせてみることをおすすめする。
布団をかぶっているときに空想を膨らませると、よく眠れます。
~お読みくださり、ありがとうございました~