おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【ママさん探訪】2・迫力がある

人生と言えば酒。酒といえば飲み屋。飲み屋といえばスナックだ。

 

特に地方都市のスナックほど個性があふれ、一歩間違うとやけどしそうなほど手痛い洗礼を浴びることもある。かもしれない。

 

結構ドキリとする瞬間がある。平日の午後。ちょいと仕事で気が抜けた瞬間なんかに、着信が入る。名前をみると、ママさんだ。

 

やべえ。最近、いってねえ。

 

そ知らぬふりで出ない手もあるが、後がやっかいだ。深呼吸して、出る。

 

あ、ママさん、お疲れ様でーす。

 

ママさんのセリフはドスがきいている。「〇〇君(私の名前)、最近いそがしいねえ」

 

私をいたわっているわけではない。「いそがしいから最近お店に来れてないねえ、そろそろ来ないかねえ」と催促しているのである。

 

ああ、そうですねえ、ちょっと最近、いろいろあって。あーそうだ、僕最近、仕事落ち着いたんですよ。ちょっと久しぶりに、ママさんとこ、いくかなー

 

「うんうん。今日は手作りのカレーたっぷり仕込んだからねえ」

 

き、きょう、ですか・・

 

ガチャりと切れてしまった。

 

こうして急遽ママさんとこに足を運ぶのである。これが四半期に1回くらいはあった。

 

さすがに所帯を持ってからはこうした催促の電話はなくなったが、独身時代はすごかった。

 

押しが強くて、迫力があって、けど頼り甲斐もあって楽しいのが、ニッポンの地方のママさんなのである。

 

これが、やめられんのんじゃ~

 

~お相手くださり、ありがとうございました~