おじさん少年の記

いつまでも少年ではない。老いもしない。

【歩き旅と思索】 27・旅日記をつける

学生時代に歩き旅を始めて以来、旅日記を欠かさず付けている。

 

その日、どのルートを辿ったのか。何を見たか。足腰の疲れ、人との会話、まぶたに映った景色。心の中に浮かんだことを少し。もろもろを、起承転結にこだわることなく、つらつら時系列に沿って書いている。

 

これはただ自分自身の記録・記憶のためにつけている。第三者にとっては読み甲斐があるものではない。それでも、この旅日記には多少の意味があるかもしれないと思っている。人の目に触れられることを想定していない分、その場その場で沸いてきた感情や体験そのままがある。

 

体裁の整っていない文章を読むのは面倒で、疲れる。従ってこの旅日記に目を通すのはこれまでも、これからも私一人しかいないかもしれない(もしかしたら何代か下の子孫が読んでくれるかもしれないが)。それで仕方ない。

 

脳裏に雑多に浮かんだイメージやアイデアを、そのまま文字に記す。ただ、その下ごしらえをしているからこそ、よそ様向けに構成を整えた文章をしつらえることができている。両方とも大切な行為なのではないかと思っている。

 

旅日記は主にA4のノートに綴っている。この20年で6冊ほどになった。家族はその存在を知っているが、あえて時間を割いてまで読もうとはしない。なんとも寂しいだが、それでいい。このブログのように、エッセンスだけを抜き出してまとめ、多少なりとも読みごたえがあるものをためていきたいと思っている。

 

人の目を気にせずにものを書く。これも、旅の大切な過程の一部になっている。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~