おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【英語ニュース探訪】6・アメリカのダイナミズム

アメリカという国は本当によく分からん、と感じることがある。

 

超大国といわれるからには国内が一枚岩で固まっているかというと、そうでもない。むしろ対立が激しい面もある。それでいて、最終的には世界トップの競争力、影響力を維持している。実に不思議だ。

 

こないだ、こんなニュースを見て、またあっけにとられた。

 

finance.yahoo.com

 

 

北部のワイオミング州が、2035年までにEV(電気自動車)の新車販売をやめさせる(という動きがある)というのだ。

 

世の中が完全にEVシフト(良かれあしかれ)している中、まさに逆行しようとしている。

 

あっけにとられた、というのは、昨年8月にこんなこんなニュースを目にしていたこともある。

 

www.cnbc.com

 

西海岸のカリフォルニア州では、逆にガソリン車の販売を2035年までに禁止するという。こっちはまあ、世の中の流れに沿っているようにみえるから、違和感はなかった。

 

それにしても、なぜワイオミング州逆張りの一手を打とうとしているのか。

 

答えは記事中で触れられている。

 

Wyoming’s “proud and valued” oil and gas industry has created “countless” jobs and contributed revenue to the state’s coffers.

 

石油とガスの産業が、同州ではかなりの雇用を生み出している。それが背景の一つに挙げられている。

 

Wyoming produced 85.43 million barrels of oil in 2021, making it the country’s eighth-largest crude oil producer that year. 

 

今や世界トップの石油産出国である同国で8番目に算出しているという。

 

ほかにもいくつか理由が挙げられているが、簡潔にいえば「仕事が奪われる」ということのようだ。

 

同じ国なのに、自治体間で真逆の政策を打つ。なんとまあ、自由というか、裁量の大きなことか。

 

この自動車法制の事例からもうかがえるように、アメリカという国は州に非常に大きな権限が与えられていて、かなりドラスティックな政策を打つことができる。成功すればそれは州全体を潤す。ただ、失敗すれば州の衰退・停滞を一時的にも招くことになる。

 

何でも横一列、金太郎飴式の日本と比べていいのか悪いのか分からないが、少なくとも地方に大きな裁量が与えられていて(それ自体はいいことだろう)、物事を白黒はっきりさせることができる。そして、時代に即した政策はいち早く社会に浸透していき、やがて国の政策となり他の国々をリードしていくことになる。そういったスピード感・ダイナミックな点を持ち合わせている点はこの国の素晴らしいところじゃないかと思った。

 

私は米国の政治も文化も詳しくない。ここで政治や経済のことを語ろうというつもりも才能も知識も資格もない。ただ、外国語を学んでいる人間として、どうせ学ぶなら市販のテキストでなくこうした生きたニュースを通じたほうが表現も考え方も政治も社会も学べるのではないかと思い、メモ的に綴っている。

 

同じように語学を学んでいらっしゃる方々の何か参考になれば幸いだ。

 

引き続き面白そうな英語ニュースを探していきたい。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~