おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【英語ニュース探訪】4・声なき声が「丸見え」に

世界中の誰も望んでいない戦争が、2年目に入ろうとしている。

 

かの国の人々は一体何を考えているのか。戦争を支持しているのか。反対しているのか。うんざりしているのか。諦めているのか。報道管制が敷かれており、なかなか一般国民の「声なき声」が聴こえてこない。

 

と思っていたら、予想もしないところでそれが露わになったようだ。

 

www.reuters.com

 

作品「1984」は、世の中がきな臭くなってくるたびに注目される古典だ(古典、といっていいほど既に評価が確立している)。

 

George Orwell's dystopian novel "1984", set in an imagined future where totalitarian rulers deprive their citizens of all agency in order to maintain support for senseless wars, has topped electronic bestseller lists in Russia.

 

この本が、あの国の、2022年電子本売り上げNo.1になったというのだ。

 

なんと露骨に国民心情を示していることか。

 

作品「1984」は、架空の超大国3か国が、終わることなき戦争を繰り広げる世界を描く。「Big Brother is watching you」というセリフ、どこかで見たこと聞いたことがないだろうか。それはこの作品から生まれている。

 

読んでみると分かるが(内容はネタバレしてはいけないからなるべく伏せるが)、救いがない。国民は誰もが政府に監視され、行動を抑制されている。ひたすら恐怖と諦めの中で、民は暮らし続ける。

 

あちらの国の人々は、まさに今こうした心境にあるということなのだろう。楽観より悲観。希望ではなく絶望。誰も政府を信用してなんかいない。じゃないと、「1984」が時代を越えて再び売り上げランキング1位になったりなんかしない。

 

もういい加減、この戦争やめませんか。

 

このランキングを見て、あの人が決断を下してくれればよいが。国民は、あなたについてきていませんよ。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~