おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

【歩き旅と思索】 44・博多~唐津を歩く(上)博多~糸島波多江

~簡単な自己紹介はこちらです~

 

先日、三日の休みを使い九州は博多から唐津まで歩いた。

 

道中見たもの、聞いたこと、感じたことを、書きとどめたい。

 

初日は午前9時、JR博多駅前をスタート。祇園町を左折し、中州、天神を経てペイペイドーム、福岡タワーを望む。そのまま西進し、糸島方面へ進んだ。

 

天神からペイペイドームまでの道中は自転車乗りの人たちと頻繁にすれ違った。ちびっ子を乗せたお母さん、学生風のお兄ちゃん、コート姿の外国人。どの顔もなぜか真剣だ。そして結構早い。広くはない歩道を、飛ばす飛ばす。自転車同士でぶつかりそうな瞬間も見たが、ギリギリのところでフワリと避ける。中高年のおばちゃんも同じ。乗りなれてるなあ。なんだか見ているだけで楽しい。

 

都市部で、ここまで自転車乗りが行き交う光景は、ほかに見たことがない。東京でももちろんそういうシーンは見たけれど、ここまで日常の「足」として普及している感じはしなかった。博多の面白い「足」文化を味わせてもらった。

 

百道という土地をすぎ、橋をわたったところで、一挙に風情が変わってきたように感じる。そこから海岸線に歩き始めた。これが、圧巻。それは後ほど書く。午後4時、今日の目的地にしていた宿に到着。

 

・・・

 

出立した博多の大都会から、1日で景色がだいぶ変わった。

 

なんといってもシビれたのは玄界の海。

 

厳冬、荒れる玄海の波と、静かにたたずむ無数の松林。

 

その中を歩いているだけで、はらわたに寂寥感が満ち満ちてくる。


 
寂しい、怖い。だが、この心細さが、いい。人間、個人の小ささ、自然の圧倒的大きさを実感する。

 

この浜辺を歩いている途中、蒙古襲来前後に築かれた石塁の跡に通り掛かった。

 

当時から鉄砲を持っていた元軍と、弓矢しか飛び道具のなかった日本。恐怖の中で、当時の侍たちが必死の思いで築いたのだろう。

 

荒れる海原を見ながら、恐怖とも戦っていたであろう侍たちの心中を思いやった。ご苦労、さまでした。


その他、いろいろ見たが、今日の一番は上記の松原、石塁、そして玄海のオーケストラだ。

 

この日は古民家ゲストハウスに宿泊。風情がある。四畳半の部屋には書見台しかない。ああ、これがいい。

 

~お読みくださり、ありがとうございました~