おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

2022-12-13から1日間の記事一覧

【短編】10・究極のバランサー(下)

天才科学者の吉田がタクシーを飛ばして向かったのは、再び空港だった。 「今度の旅ほど、気が乗らないことはない」 ため息をつきながら、国際便の搭乗ゲートへ。各便の離着陸時刻を伝える大型スクリーンを見上げた。「これだ」 目線の先には、見慣れぬ都市の…