おじさん少年の記

疲れた時代に、癒やしの言葉を。からだはおじさん、こころは少年。

2022-12-11から1日間の記事一覧

【短編】10・究極のバランサー(上)

「とうとう、できたぞ・・」 額ににじむ汗をぬぐうと、白衣の吉田は長く息を吐いた。 苦節30年。長かった。天才科学者の吉田といえども、世紀の装置の開発には難渋を極めた。 だが、道なき道を踏み分ける旅もこれで終わりだ。世の中が大きく変わる。みんな…