夏の夜空の見どころといえば
天の川だろう。
東洋では「川」に見立て、西洋では「ミルクの道(ミルキー・ウェイ)」とみた。
どちらも星々の散らばりを雄大な流れと受け止め、さまざまに物語を創造した。
私は40手前で星空に興味を持つまではほぼ全く意識することがなかったが、
あらためて見つめ直し、多少の知識を得ると、実にスケールの大きいステージを毎晩目の当たりにしていることに驚き、少し震えた。
夏の星座である、射手座の矢の先と、さそり座の尾っぽが交わるあたりに、私たちの住む天の川銀河の中心部がある。
この中心部には巨大なブラックホールがある。
それを中心として、億兆の星々が、ほぼ同じ平面上に並んで連なっている。
私たちの太陽系は、その連なりのやや外側に位置している。
ちなみに、星々は中心部に近いほど多く集まっている。
そのため、中心部を眺めると無数の星々がまるで川かミルクのように密度の高い空間として迫ってくるわけだ。
瞳に映るのは、単なる星々の太い道(川)にすぎない。だが、こうした多少の知識と想像力を踏まえて眺めてみると、実は1枚の壮大なディスクが広がっており、その上に私たちの太陽系が乗っかっているのだと気づかされる。
なんとまあ、壮大な円盤の上で私たちは存在していることか。
ふぁあ
40にして、深夜にため息が漏れた。
~お読みくださり、ありがとうございました~